薬剤科

病院薬剤師の仕事

病気の治療に欠かすことのできない「くすり」。患者様にとって最も安全で効果的な薬物治療を支えているのが、私たち病院薬剤師です。薬剤科は、医師により処方された処方箋をもとに、患者様ひとりひとりの薬をつくっています。また、医師・看護師・その他の医療スタッフとともに医療チームの一員として、高度な医療を支えています。

その主な仕事内容を紹介します。

病棟薬剤業務

当院では、病棟の近くに第2薬局(サテライト)を配置し、各病棟に専任の薬剤師が配属されています。
持参したお薬の鑑別、処方された薬の内容や用法・用量のチェック、服薬説明、副作用・相互作用やコンプライアンスのチェック、治療効果や副作用の確認等、入院患者さんの薬物治療に薬剤師が積極的に関わり、医師・看護師など他職種と積極的に意見交換を行い適切な薬物治療がが提供できるよう入院患者さんへの薬の適正使用に努めています。

(第2薬剤科、サテライト薬剤科の様子)

抗がん剤調製

当院では、平成24年より外来患者さんと入院患者さんに使用する抗がん剤の調製を行っています。

抗がん剤の調製

抗がん剤の多くは副作用で免疫力を低下させることがあり、そのため混合調製にあたっては無菌的に調製しなければなりません。また調製者は、抗がん剤の直接接触や霧状粒子の吸入により、皮膚炎等を発症する可能性や、繰り返しの被爆により、発がんの危険性があることが報告されています。
したがって当院薬剤科では、薬剤の被爆を防止する目的で、安全キャビネットという特殊な装置内で調製しています。この安全キャビネットで調製することによって、調製者が被爆される事なく、無菌的に薬剤を患者さんに供給できます。

がん化学療法委員会

当院で実施されるすべての化学療法のレジメンは、がん化学療法委員会でエビデンスに基づいたレジメンであるかどうかの審議を受けています。薬剤科はがん化学療法委員会の事務局を運営しており、化学療法レジメンのエビデンスに関する文献、投与方法や投与時間、配合変化に関する文献等の資料収集、審議資料の作成をおこなっています。

処方チェック

抗がん剤の用法・用量が適正であるか、投与スケジュールが間違っていないか等、複数の薬剤師が関わって監査することで、患者さんの抗がん剤による治療の安全を確保し、安心安全な化学療法を受けていただけるよう努力しています。

(抗がん剤調製の様子)

製剤・高カロリー輸液調製

製剤は必要に応じて、市販されていない、病院独自の薬を調製する仕事です。また、高カロリー輸液は、手術後や食物を口から摂れない患者さんに、点滴により栄養を与える治療法です。
当院ではそれらの注射薬の混合をおこなっています。高カロリー輸液は無菌的な環境で調製するのが望ましいとされています。薬剤科ではクリーンベンチという無菌的な環境を作る機械を使って、この輸液を調製しています。

(高カロリー輸液調製の様子)

調剤業務

調剤とは、医師の書いた処方箋に基づき内服薬、注射薬、外用薬など患者様の薬を調整することです。「薬剤師」の仕事と言えばこれを思い出す人が多いと思います。調剤時に薬の量や使い方が適正かどうか、薬どうしの相互作用(飲み合わせ)や他の診療科の薬との重複もチェックしています。外来窓口では薬に関する相談にも応じています。

(調剤室)

(注射室)

薬剤管理指導業務

薬剤師がベッドサイドに伺い、患者様の飲んでいる薬の内容を記録し、薬に対するアレルギー歴や副作用歴などを伺い、そういった薬が出ないように、また、「薬の名前」「薬のはたらき」「薬の飲みかた・使い方」「薬の副作用」などについて説明するものです。また、目に見えない(検査結果でしかわからない)副作用の早期発見や重篤な副作用の予防、より効果的な薬の選択などについて、医師をはじめとする病棟スタッフと協議・検討し、薬での治療が効果的で安全におこなわれるように努めています。
薬の説明は医師や看護師からもあるかと思いますが、薬剤師がお話しすることで、より薬に焦点を当ててお話ができると思っています。

(服薬指導)

医薬品情報室業務(DI業務)

医薬品の効果や副作用などの情報を収集・管理、医師や看護師へ薬剤に関する最新の情報を提供したり、問い合わせに速やかに対応しています。外来患者さんへ「お薬の説明書」も発行しています。

緊急性が特に高い情報に関しては、迅速かつ確実に周知できるよう、紙媒体の配布ではなく、院内LANを積極的に活用して電子媒体で配信するようにしています。

また、院内で使用する医薬品の採用の可否を決定する薬事委員会の準備・資料の作成、医薬品マスターの整備、医薬品の鑑別や持参薬鑑別、採用医薬品集の作成、製薬企業からの新薬のヒアリングなども行っています。

薬品在庫管理業務

院内で使用される医薬品が適正に使用され、患者さんの治療が円滑に進むようにするために、医薬品の購入管理、在庫管理、供給管理、品質管理(特に温度、光などには十分注意しています。)を行っているのも薬剤科です。現在、薬剤科で在庫管理している医薬品はバーコードリーダーを用い、より効率的に在庫管理を行っています。

薬学部学生実習の受け入れ

薬学生が病院薬剤師の職能を正しく理解し、実務実習を通して、医療に対す基本理念、専門的知識、倫理観を学ぶことを目的として、実習生を受け入れています。

スタッフ覧に記載の指導薬剤師の監督のもと、各病棟担当薬剤師との同行、調剤室、医薬情報室、無菌製剤、抗がん剤調製等行っております。

院外処方箋について

当院では、厚生労働省が推進する医薬分業の主旨に沿って、外来患者の皆様を対象に全科で「院外処方箋」を発行し、薬は院外の保険薬局で受け取っていただいております。「院外処方箋」の全面的な発行につきまして、ご理解、並びにご協力くださいます様よろしくお願いいたします。処方箋の有効期限は4日間です。薬が余っている場合でも期限が過ぎれば処方できなくなるので、忘れずに調剤してもらう様に心掛けましょう。

FAXコーナーでは、患者の皆様の便宜をはかるためあらかじめ院外処方箋を保険薬局に送信するサービスを行っています。お気軽にご利用ください。保険薬局は、患者の皆様のご希望で薬局をお選びいただけますが薬を正しく、安全にお使いいただくために、かかりつけ薬局を決めることをお勧めしています。FAXコーナーでは保険薬局の(かかりつけ薬局)のご案内をしています。

かかりつけ薬局に「院外処方箋」を持っていくと次のような利点があります。

  1. 薬歴管理が受けられます。他の病院に受診されている患者様でも、同じ成分のお薬を渡されたり、複数のお薬を同時に服用することで、副作用が起きたり、お薬の効き目が弱くなったりするようなことが事前に防止できます。
  2. 服薬指導が受けられます。患者様は、薬の説明を充分に受けられます。
  3. 都合の良いときにお薬が受け取れます。

なお、不明な点がございましたら、お気軽に薬剤科の相談窓口に声をおかけ下さい。

スタッフ紹介

■薬剤師 6名、調剤助手 1名
・徳島県病院薬剤師会 所属
・日本病院薬剤師会 所属

役職 薬剤科長
名前 池森 明
akira.ikemori
所属学会

日本腎臓病薬物療法学会
日本医療薬学会

資格 日病薬病院薬学認定薬剤師
日病薬認定指導薬剤師(086-0248)
認定実務実習指導薬剤師(第10114721号)
初級システムアドミニストレーター(第AD-2008-10-09925)
名前 長井 昭人
akito.nagai
資格 日病薬病院薬学認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師(第08106022号)
徳島県糖尿病療養指導士
名前 木藤 一美
kazumi.kitou
所属学会

日本医療薬学会

資格

日病薬病院薬学認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師(第10115699号)
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師(第13-006号)
徳島県糖尿病療養指導士(0205)
日本糖尿病療養指導士(28483)

名前 平岡 陽一
yoichi.hiraoka
所属学会

日本集団災害医学会

資格 日病薬病院薬学認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師(第12119531号)
日本DMAT隊員(第5735号)

他、薬剤師 2名 助手1名

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